花のある暮らし #2|花を選ぶ3つのポイント

池田 ちなみ|フラワーアイテムのお店 charme(シャルム)
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こんにちは!

フローリスト・フローラルコラージュ作家の池田ちなみです。
「花が本来持っている《魅力》を引き出し、あなたの人生をより《魅力》的にしたい。」という想いを込めたブランド『charme(シャルム)』で、お花をモチーフにした雑貨の制作&販売をしています。

本記事のテーマは、『花のある暮らし』です。引越しほやほやの我が家が、どのように変化していくのかを何回かに分けて紹介します♪

第1回では、「生活感のあるごく普通のお部屋(特段おしゃれでもない)でも、お花は楽しめるんだぞ!」というマインドセットについてお話ししました。まずはお花に感じる、ある種の敷居の高さを払拭しようという話でした。(→第1回はこちら!)

第2回となる今回は、さらに一歩踏み込んで、「お花の選び方」を紹介していきます!ちなみにわたしはお花屋さん勤務の経験もあるので、「中の人」の目線から解説していきますね。

お花を選ぶ際の3つのポイント

さてここで、みなさんに一つ質問させてください。

お花屋さんでお花を注文するとき、店員さんにどんな内容を伝えるでしょう?

買い慣れていない人は、何を伝えれば良いかわからず、しどろもどろになってしまうかもしれませんね。そもそもお花を買ったことがない人も結構多いと思います。

実は、次の3つのポイントさえ押さえておけば、良い感じ(←語彙がショボくてスミマセン)にお花を選んでもらえます。

① 用途(誕生日 / お見舞い / 自宅用など)

② イメージ(可愛い / 優しい / シックなど)

③ 色(ピンクのグラデーション / 白×グリーンなど)

お花屋さんがお客さんに聞くのも、基本的にはこの3点。この3点さえ分かれば、大抵のお花屋さんは、お客さんのご希望に沿った花束が作れるはずです。

3つのポイントでお部屋に飾るお花を選んでみた

というわけで、「①用途、②イメージ、③色」の3つの視点から、わたしの自宅の部屋に飾るお花を考えてみたいと思います。

今回は贈り物ではなく、自宅に飾るという用途になるのですが、それではちょっと解像度が低いですね。ここでは、「誰と過ごす部屋か?」という視点を加えて用途を考えてみました。

① 用途 → 子供と過ごすリビング

② イメージ → 明るい、楽しい

③ 色 → イエロー、グリーン、ピンク

我が家には「2歳の娘」がいます。娘と過ごすので、「明るく、楽しいイメージ」が良いですね。そして雰囲気に合った「彩度が高めのビビッドカラー」を選びました。

この3つのポイントを踏まえて、部屋の印象を変えていきましょう♪

ちなみに前回は、「グリーン」「ホワイト」「イエロー」の造花のボックスアレンジを飾りました。何も考えずに飾ったので、「子供と過ごすリビング」としては少々硬い印象を受けます。

特に「ホワイト」がちょっと大人っぽい感じ。ホワイトのボックスアレンジは、「ホワイト × グリーン」で全体の色合いがまとめられています。そしてメインの花材は「バラ」。

「上品で爽やか」な印象を引き立てていますが、今回出したかった「明るく、楽しいイメージ」とはミスマッチですね。

そこで「ホワイト」のボックスを変更することにしました。

まず「ピンク」で可愛らしい感じの「ラナンキュラス」という花をメインにし、「明るく、楽しい」印象を演出してみました。

ただすでに「ピンク」で明るい色を使ってしまったので、これ以上明るい色味を足すと、騒がしい印象になってしまいます。子供部屋ならそれもアリですが、今回飾る場所はリビング。ほどほどに落ち着きが欲しいところ。

ということで、色のコントラストを考慮しつつ、ボックスそのものは落ち着いた「ブルー」にしてみました。賑やかになりすぎず、「子供と過ごすリビング」にふさわしい雰囲気になっていると思います。

前回のお花

今回のお花

上級者はお花の品種も考えてみよう

これはやや上級者向けの話になりますが、同じ鮮やかな「ピンク色」でも、「ラナンキュラス」ではなく、「バラ」や「ダリア」にすると、イメージがガラッと変わってきます。

ラナンキュラスは薄い花びらがシフォンスカートのように重なっていて、葉が細かく、野に咲いているようなイメージのお花です。華やかさがありつつも、日常に馴染み、親しみやすいお花です。

一方で人気の「バラ」や「ダリア」は、まさに「高嶺の花」といった感が強く、高貴なイメージがあります。お子さんにはまだまだ早い大人の花ですね。もう少し色を淡いピンク色にすれば、お子さんが手にしても違和感ないかもしれません。

このようにお花の色だったり、品種によってキャラクターが変わってきます。また人によって感じ方も違うので、作り手によってもキャラクターが違ってくるところも面白い。お花のキャラクターについては本当に奥が深いので、別の機会に詳しく紹介できたらと思っています。

ご自身で選ぶ場合は、ちょっと上級者向けですが、お花屋さんなら、「①用途、②イメージ、③色」を伝えれば、適した品種を選んでくれるでしょう。

飾り方にも工夫を!

ボックスの並べ方も、前回から変えてみます!

前回は横一列に並べました。この並べ方では落ち着いた「静」の印象。「子供と過ごす、明るく、楽しいリビング」からは、ズレているように感じます。

そこで、ボックスの高さを変えて並べてみました。

この様に高さを変えて段違いにすることを、我々フローリストは、「リズムをつける(*)」と呼びます。ダイナミックな作品や、今回のように楽しげな「動」の印象にしたいときに使われるテクニックです。

*私が通っていた専門学校でそう習いました。一般的にそう呼んでいるわけではない可能性もありますが。

また並ぶ順番も変更しました。

前回は「グリーン → ホワイト → イエロー」でしたが、今回は「ブルー → イエロー → グリーン」に並べ替えました。

メイン花材がより鮮やかな色彩のボックスを、両サイドに配置。真ん中の比較的落ち着いた印象のボックスを挟み込むようにしました。このような感じで、色の明るさを調整しています。

ちなみに色の選び方に関しては、正解があるものではありません。好きな色だったり、家具や壁紙などインテリアに合わせたり、色の持つイメージを活用したりと様々です。

我が家の場合は、リビングの主役になる娘のイメージで決めました。

★イメージカラーをブルーじゃなくピンクにしたので、内容を変更→(うちの娘は暖色系でもなく、寒色系でもなく、色彩学で言うところの中性色にイエローとブルーを足した自然を連想させるような色彩がしっくりきたのでイエロー、グリーン、ブルーの色に決めました。みなさんもご家庭にあった色の決め方をされてください。)

最後に、各ボックスにぬいぐるみを乗せました!娘のお気に入りのお友達です(笑)

フラッグガーランドも添えて、さらに楽しい感じに演出してみました。

これで我が家のリビングは完成です!!

まとめ

「①用途、②イメージ、③色」
この3点さえ決めてしまえば選ぶ花の方向性が決まり、選択がしやすくなります。みなさんも是非活用してみてくださいね。

さて、これでようやく我が家の『花のある暮らし』が始まりました。

リビングの次はどこに飾ろうか‥

進捗はまたご報告します♪

次回はハロウィンが近いので『花のある暮らし』番外編として、子供と作るフラワーアートを紹介します。

お子さんと楽しんでいただけたら嬉しいです!お楽しみに~♪

PROFILE

池田 ちなみ|フラワーアイテムのお店 charme(シャルム)
フローリスト|フローラルコラージュ作家。 絶賛イヤイヤ期の2歳児と夫の3人暮らし。 NFD認定フラワーデザイナー修得。 専門学校でヨーロピアンフラワーデザインを学ぶ。 銀座など、都内の百貨店のフラワーショップで修行。2021年独立。 「花が本来持っている《魅力》を引き出し、あなたの人生をより《魅力》的にしたい。」という想いを込めた自身のブランド『charme(シャルム)』を立ち上げる。
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