イメージをくれるもの
Orange Pekoe
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ちいさなベランダでバラを育てています。
ネットで出会った1枚の美しいバラの写真から、
自分で育てる決断をするのに1年くらいかかりました。
気づけばあれからもう20年余り。
ガーデニングをするつもりさえなかったベランダで、
うまくいったりいかなかったり、いろいろ含めて楽しんでいます。
由緒ある古いバラも、どんどん作出される新しいバラも、
それぞれに魅力的で、素敵な名前があり、
歴史を感じ、想像を巡らせて、たくさんのイメージを与えてくれます。
例えばこれは、「ファンタン・ラトゥール(Fantin Latour)」という
19世紀の画家の名前がつけられた香りのよいバラです。
こちらは、「グルス・アン・テプリッツ(Gruss an Teplitz)」です。
「日光」という和名も持ち、明治時代から日本でも育てられ、宮沢賢治が愛したバラ、とも。
ちいさなベランダも、古い歴史や広い世界につながっているような気がして、
イメージがふくらむのです。
こちらは花径が1.5cmほどのミニバラ「みさき」です。
花びらがぎっしりで、まさにミニチュア。
花の裏側の「がく」も繊細さのポイントかな、と思います。
ミニバラの魅力をタティングレースで再現できるように、
花の裏側が見えるものには小さな「がく」もつけています。
アンティークやヴィンテージの雰囲気を持つものをつくりたくなるのも、
バラのもつ歴史の影響かもしれません。
ときどき、こんなちょっとポップなものも作りたくなります。
そんなときも、ビーズの色や、茎の微妙な曲線にこだわっています。
つくりたいイメージを作品に再現するとき、
そういうところを大切にしています。
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