売ることもつくることの話

motif. 進藤 純子
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すっかり秋の気配が訪れて、日中も過ごしやすく、キンモクセイの香りが漂う10月中頃。

この時期は催事やお祭りなども多く、ハンドメイド作家さん達が工夫を凝らし出店する機会も増え、とても楽しい時期なのではないかなと思っています。

販路に関していうと、私自身試行錯誤の日々ではありますが、ひとつの方法としてmotif.の商品はネットショッピングが利用できるようになっています。

オフィシャルホームページ内にあるネットショップは、開設して来月の11月で2年目に突入します。

今回はこのネットショップで、初めてSALEをしてみて感じた話です。

日々、沢山の商品を作っていく中で、
新作を試しに作り出していく際、作ってはみたもののサイズが思っていたものより小さかったなとか、絵をもう少しこう描けばよかったかなとか。
または、焼成し終えて気づかぬうちに小さなキズが入ってしまっていたとか、釉薬が剥離してしまったとか。

使えるのだけれど、同じ商品の数のうちに入れなかったり、商品化しないと決めたものをB品として扱っていますが、
いろいろな理由で販売ルートに乗れないB品たちが、時を重ねるにつれ溜まってきていました。

素焼き前の作品ならばまた土に戻して再生できるのですが、焼いてしまったら元には戻らないのが悲しい陶磁器の定め。
極力そうならないように気を付けながら制作することを心掛けてはいるものの、
新作として作っているものに関しては最後まで焼いて結果をみないと判断できないものです。
焼成後よほどの大きな歪みや亀裂、破損があった場合には廃棄せざるを得ません。

9月の話で失敗の話をしたばかりです。出来たものを使ってみて失敗だという結末になることもあります。

そのB品たちの行く末なのですが…。
今までは、催しなどの直接販売する場で、B品となった作品をお客様に見てもらって、了承の上でお安く購入していただくという道のりで販売をしていました。
しかし、その数が増えてくることによって、せっかく皆さんに作品を見ていただける機会なのにB品ばかりおすすめしていては本末転倒です。
直接販売の場でもB品の取り扱いを躊躇うようになり、どうしようかなと奥に奥にしまい込まれていく始末。

陽の目を浴びないB品たちがどうにか表舞台に出ることができないものか。

そこで、今回ホームページ内のネットショップでB品を格安で買えるようにSALEをしてみようということで準備を進めていきました。
商品の写真を撮り直し、B品になった理由とその証拠である部分を画像で閲覧できるようにしました。

基本的に問題なく扱えるものばかりなのですが、やっぱり不安という方に向けて、お問い合わせフォームからの問い合わせも受け付けています。
より多くの方に商品を見てもらいたくて、SNSを使っての告知も行っています。

自分がネットでお客様目線で商品を買うならこう考えるかなとか、スムーズに進めていくにはどうすればいいのかなど、
結論としてお客様が喜んでもらえるにはどうしたらいいかな?の連続で、細かいところまで考えることがやってみて沢山あることに気づかされます。

商品を送り出す際は、梱包や荷造りなど間違いのないように、こわれものは要注意して箱に詰めていかないといけませんので、気を張り詰めている状態での作業になります。

トータルして考えると、「売ること」も「つくる」ことだなと改めて痛感しています。

そのSALEですが、10月末までホームページ内で開催しています。
随時追加商品もあったりなかったりしますが、よろしければご覧ください。

【SALE商品の詳細はこちら】
https://www.motif-js.com/product/products/list?category_id=42&orderby=1

以上、売ることはつくることの話でした。

PROFILE

motif. 進藤 純子
陶磁器で生活雑器や、小物などを製作しています。 草や木、花、動物、ひと...等身近にあるものをモチーフに、ろくろやてびねりで形作ったものに絵付けを施し、個性をプラスして彩と楽しさを表現しています。 手作りの持つ独特の柔らかさと温かさ、筆で表す不確実さと濃淡に現れる動きで、作り手のその息遣いを感じていただけることを願っています。
【motif.オフィシャルサイトはこちら】
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