【ハラミチヨさん特別インタビュー】ねこイラスト作家、初の絵本「ねこの5ふんご」ができるまで。
いよいよ2023年7月1日(土)・2日(日) に「にゃんこ博覧会」が開催されます!
今回のにゃんこ博覧会では、スペシャル企画として、ハラミチヨさんによる直筆サイン入りの絵本『ねこの5ふんご』を販売いたします。
ハラさんは、ねこ好きなら一度は聞いたことがあるフェリシモ猫部での商品化や百貨店の催事などで活躍されている今注目の作家さんです。
今回は、ねこをイラストにするまでの原体験やねこ愛、初出版された絵本についてお話をお伺いしました。
ハラミチヨ(hara michiyo )
"ねこ"をテーマにイラストを描くまで
ーハラさん、本日はよろしくお願いします!まずは、どのようなきっかけでイラスト制作をはじめられたのか教えてください。
昔から絵を描くことは好きでした。本格的にはじめたのは、広告制作系の会社を辞めてからです。
長年勤めていて、仕事を割り振る側の役割を担いましたが、作る側でいたい!といった思いもあったのと体調を崩したこともあり会社を辞めました。いつかはやってみたいと思っていた絵の勉強をするために、イラストスクールに通うことになります。
ーイラストのスクールに通われていたんですね。
はい、5年通いました。その後、講師をやってみないか、とお声がかかり7年ほど講師として務めていました。
当時はファッションモード系の人物絵などを主に描いていましたね。
ー人物の絵を描かれていたんですね。いつ頃から「ねこ」を描き始めたのでしょうか?
みぃがお家に来てからです。
ーみぃ・・・?インスタでも拝見したのですが、ハラさんはねこと暮らされていますよね。
そうです。今はお家で「みぃ」と「むぅ」と「もこ」の3匹のねこたちと暮らしています。
※ハラさんのお家にお迎えされた、くつろぎ中の「みぃ」
※ハラさんのお家にお迎えされた、くつろぎ中の「むぅ」
※ハラさんのお家にお迎えされた、ドアップの「もこ」
ねこを描くきっかけのみぃと出会う前に、実は先代ねこのまーちゃんがいました。その後にめいちゃんという子ねこを引き取りましたが、めいちゃんはその時にかかっていた、ねこ風邪をこじらせあっという間に虹の橋へ。
このショックから「もう、ねこをお迎えするのは無理だ。」と思っていたのですが、ご近所の方から「里親募集をしている子ねこがいるので見るだけでもいいから見てみる?」と誘われました。
そこで出会ったのが「みぃ」です。可愛くて可愛くて、気づいたら連れて帰っていました(笑)
ただ、先代が病気で亡くなったこともあって、いなくなる事が恐ろしくて、とにかく健康に育ってほしい。と色んなねこや子ねこの情報収集をしているうちに、ねこに染まっていって、気づけば描く絵もねこばかりに。ねこのことを知れば知るほど、もっと知りたくなるし、描きたくなっていましたね。
ー素敵なエピソードです。
講師として授業でもよくねこを描いていたので、当時の私の授業を受けていた生徒さんは「この先生、ねこばっかり描くな。」と思われていたかもしれません(笑)
イラストに込めた、ねこへの想い。
ーハラさんの作品は、線や柔らかい印象を受けます。作品はどのように制作されていますか?
線の部分は竹でできた竹ペンを使用しています。先が割れているんですが、自分でカッターで削ってカスタマイズして、インクにつけて描いていますね。色をつける時は透明水彩の筆を使用しています。
ー描くねこたちに、テーマなどありますか?
「完全室内飼いのねこたちの暮らし」をテーマにしています。
世間一般的には完全室内飼いは、ねこを閉じ込めててかわいそうといった認識もありますが、そうならないように人間の工夫と努力次第で、家の中でも楽しくやりたい放題のんびりやってますよ。というのを絵にしたら、室内飼いは可哀想な事ではないのも伝えられるし、ねこの可愛らしさも伝えられると思っています。
ーさまざまな種類のねこが登場していると思うのですが、モデルがいるのでしょうか。
ベースとしてあるのは「むぅ」かなと。私のイラストは割と忠実にリアルなねこを描いているんですけど、目だけがむぅ仕様です。
むぅ、今はちょっと目つきがおじさんっぽくなっていますけど(笑)
若い時はキョトンとしたような、びっくりしたような目をしていて、ねこってこんな表情をするのか!と思いました。面白いなと思って以来、むぅの目をイメージして描く事が多いです。
※若かりし頃の「むぅ」
ーハラさんのイラストを見ていて感じるのが、いかにもねこっぽいポーズではなく、その状態から数秒経過したような独特の間を感じるのですが、自然なところを捉えているのでしょうか。
すごいところに気づきましたね(笑)そうですね。動きのあるシーンは、やっている瞬間のシーンというよりかは、やった後にどうなるのかな、という展開を切り取っている方が多いかも知れないです。
例えば、コーヒーを「触れて、倒して、こぼす」のようなアクションの瞬間よりも、ちょっと遅れた「振り切ってコーヒーを倒した後」の展開を切り取った方が、動きも出ますし、想像もしやすいのかなと。
ー写真を撮って、それを見ながら描いていたりするのでしょうか?
その時によりますが、ネットや雑誌でイメージに近いものを探す時もあります。
ただ、ドンピシャなものはないので、自分の中でこういう動きにした方がかわいい、こうしたらいい、と想像していきながら形にしていますね。
ー描いていて、お気に入りのねこちゃんはいますか?
サビ猫と黒猫です。
特に、サビ猫は柄の入り方がアートというか、バリエーションが凄く素敵だと思っています。
まっぷたつに顔の真ん中で、パカっと色が分かれている子もいるし、ほぼ黒の中に茶系が混じっていたり、パステルの子とか。その毛の入り方が「どうしたらそんな入り方するの?」と、そんなことを考えているうちに、どんどんハマってしまいましたね。
複雑な毛の入り方を忠実に再現しようとしたら、私の場合は、絶対に汚くなっちゃうんですよ、絵としては。それをいかに手数を抑えて、あの混ざり具合を表現するのかは私の中でもかなり意識しています。
自分が生まれ変われたら、サビ猫がいいんですけど、ねことして一緒に暮らすなら黒猫がいいですね(笑)
初出版の絵本「ねこの5ふんご」
※撮影/有賀傑
ー今回は7月3日に絵本を初出版されるのだとか。改めて、おめでとうございます!初めての出版とのことでしたが制作されてみていかがでしたか?
大変だったけど楽しかったですっ!
ーー簡単に今回の絵本のあらすじを教えてください。
3軒のお家に住んでいる、9匹のねこのお話です。
見開き2ページ構成になっていて、左側が現在、右側が5分後の未来(1年後や2年後もあります)といったような構成になっています。
予想だにしない5分後になる場合もあれば、ほっこりとした5分後になる場合もあり、読んでいて気まぐれなねこを楽しめる作品です。
ーーーとくにお気に入りのシーンはありますか?
やっぱり、外で苦労していた子がお家にお迎えられ、最初は怖がっていたけど、数年後には自由気ままに過ごしているシーンは、描いてて力が入りました。
ーこの絵本を読者にどのように楽しんでもらいたいですか?
ねこと暮らされている方は、「あーうちの子もこんな行動する!」「ねこってほんとこう!」とねこあるあるを楽しんでもらいたいです。
ねこと暮らしていない方にも「え、ねこってこんなことするの?」と知ってもらえたらなと思っています。
ー最後に、今後の展望を教えてください。
保護猫のことをもっと広めていきたいです。お迎えした子も、ゆっくり時間をかけて安全な場所だとわかってもらう事で、お家の中でのんびり楽しんで暮らしているよ。というのも伝えつつ、「地域猫」(別名:さくらねこ。不妊手術済みのしるしに、耳先をさくらの花びらの形にカットしたねこ)のことも広く知ってもらいたいと考えています。
なるべくポジティブに、希望や理想を絵として表現できればいいなと思います。
あとは、保護猫活動されている方の手助けになるようなことを今後もしていきたいです。
※保護猫活動団体の方から依頼をいただいた保護猫ガイドブック(右)
ーーー本日はありがとうございました!サインをいただいてもよろしいでしょうか?
※ 今回特別にサインをいただきました。
とっても可愛いいサインありがとうございました!
*
そんなハラミチヨさんの直筆サインが入った絵本を7月1日(土)、2日(日)に開催される「にゃんこ博覧会」で販売いたします。数量限定なので、お早めに!
今回で2回目となる「にゃんこ博覧会」。ねこ好きにはたまらないイベントです。ぜひご参加ください!
にゃんこ博覧会でお待ちしています~!
▼にゃんこ博覧会について
『にゃんこ博覧会 2023 summer』
開催日程:2023年7月1日(土)・2日(日) 午前11時~午後6時 ※最終入場は各日閉場30分前まで
会場:大阪南港ATCホール Cホール(ATCミュージアム)
〒559-0034 大阪市住之江区南港北2-1-10
ニュートラム 南港ポートタウン線「トレードセンター前」下車すぐ
主催:テレビ大阪、アジア太平洋トレードセンター
入場料:当日券:700円/前売券:600円 ※前売券は6月30日(金)まで発売
PROFILE
- COTU
- MeTAS+編集部 オフィシャルライターのCOTUです。趣味でビーズ刺繍やオーガンジー刺繍、レジンなどのアクセサリーを制作しています。ハンドメイドのお店やオーナー様への取材、イベントの紹介などを行っています。
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