“さをり織り”自由気ままに織る楽しさ。｜手織工房じょうた

今回は東京都三鷹市にあります、【手織工房じょうた】さんへお伺いしました。この記事では、こちらの工房で体験できる自由な織り方『さをり織り』の体験レポートと、工房主宰の城達也さんのお話をご紹介します。

東京の吉祥寺駅から緑豊かな井の頭公園を流れる玉川上水の近くを歩いていくと、工房があります。
新緑が綺麗な季節は公園散歩が楽しいですね。

一階が工房になっている美しい白壁の一軒家。「手織工房じょうた」は“さをり織り”を生み出した、城みさをさんのお孫さん、城達也さんが主宰する手織物の工房です。

工房内にはたくさんの織機と壁には様々な色の糸たちが！
糸の素材も多数あるそうで、身に着けたい季節をイメージして素材を選ぶことができます♪

お子さんと一緒に私たちを迎えてくださったのは、主宰の城達也さん。
「小さい頃（祖母に教えてもらって）織った事はあると思いますが、本格的に始めたのは大人になってからですね。」
昔から身近にあった“さをり織り”に興味はあったそうですが、意外にも城さんがさをり織りを始めたのは社会人になってから。
学生時代にさをり織りの展示を見て徐々に織物への興味が強くなっていったそうです。企業に就職してからも思い強くなり、会社の寮に織機を送ってもらいさをり織りの世界に入り、現在は工房の主宰として御活躍されています。

「さをり織り」は、城さんのご祖母様の城みさをさんが考案された織り方。自分の感じるままに、自由に織る手織りです。見本もなければ、失敗もなく制約もありません。どんな糸で何色でどんな風に織るかなど全て自由。
自由＝簡単というわけではなく、その時の「自分」をありのままに表現することにつながるので、ある意味とても難しく、奥深いアートなのだそうです。

工房は一日体験以外は月額会員制だそうで、いつ来て、いつ帰っても良いというルールになっています。忙しい日常で少しリセットできる時間になってくれたらという思いから今の形になったとのこと。
そのため、工房ではなるべく立場という考えをなくすために織り方を教えてくださる方々に、『先生』とお呼びしないようにされているそうです。

糸は今回赤味のあるものを選んでみました。
ほかにも自由に糸を変えて良いそうで、ふと顔を上げて目に留まった糸を使う人も多いんだとか。

白い棒がボビンになります。

くるくると真ん中が少し膨らむように糸を巻きます。

ボビンをセットしたら

糸の間を滑らせて

織ります！

ここで本来は強めに引くそうですが、あえて緩めに織ると風合いが優しいイメージになるそうです。私は織物といえば、しっかり強く織るイメージがあったため、最初は強く織ってしまいました。

どんどん織れていきます。

間に毛糸を入れてみました。

赤の間に白が入り、ラインが描かれているようなデザインに！

合間の色を変えてみたり、自由に織ったのにまとまりのあるデザインの仕上がりました！

約1時間半～2時間で70㎝程織ることが出来ました。ストールやマフラーにはもう少し時間が掛かりそうですが、カトラリーグッズなどを作るには丁度良い長さになりました♪

一緒にワークショップに参加されていた方々の作品を見せていただきました。

こちらは間の毛糸がアクセントになっていて素敵です♪

こちらはグリーンがネックレスの色味と合っていて良いコーディネートに。

お帽子にされた方もいらっしゃいました。優しい素材感と色味がオリジナリティを感じます♪

皆様それぞれ個性的で素敵！
同じ織機と同じ織り方なのに雰囲気が全然違うのがとても不思議ですね。

織物は、好みの色で織った布地をそのまま首に巻いたり、縫ってファッションアイテムにしたり、キッチングッズにしたりと様々な作品に変えられるところが魅力の一つです♪
デザインを考え抜いて制作するスタイルも勿論楽しいですが、自分の思いのまま気の向くままに、色や素材を使って作品を制作してみるのも楽しいですね。
季節によって麻を使ったり、カシミヤを使うマフラーの体験会も開催されるそうです！
普段使いのアイテムづくりや、頭が疲れてしまった時、自分を見つめなおす、メンタルデトックスなどにいかがでしようか。