京都・東山|GAJUMARU あじき路地|若手クリエイターのための京町家が並ぶ路地
- Kaori Sawada
- 2022年11月からMeTAS+で記事を書かせていただくことになりました!取材を通じて色んな方にお会いできるのが楽しみです。
京都の東⼭にある、築100年を越す町家⻑屋「あじき路地」。現管理⼈が⼿掛ける「fuku coffee roastery (焙煎所)」に続き、路地で活動する若⼿クリエイターを訪ねました。
2⼈⽬は⽔彩画の作品やアニメーションを作られている「GAJUMARU」の北牧奈央⼦さんです。
(GAJUMARUの⼊り⼝。kokoiroさんのお隣です。)
(中に⼊るとイラストやグッズの販売スペースがあります。)
諦められなかった「⼿で描くこと」
――イラストレーターとして活動を始めたきっかけは何だったのでしょうか。
⼦どもの頃から絵を描くことが好きでそのまま⼤きくなり、中学⽣になるとそれを仕事にしたいと考えるようになりました。でもそんなにすぐには踏み切れず、⼤学では情報デザインを学び、⼤阪でデザイナーとして就職しました。ですが、⼿で絵を描くことの夢が捨てきれず会社を辞めて上京し、新宿にあり今はもう廃校してしまったセツ・モードセミナーという美術学校に⼊学しました。
――仕事を辞めてから、再び学校に通ってみてどうでしたか?
学校ではファッションイラストや⽔彩画を学びました。10分で1⼈のモデルを速書きするのですが、それが今の制作に活きています。⾃由な学校で楽しかったですね。同じ志を持つ仲間に出会えたことも良かったです。
卒業後は東京でイラストの仕事を少しずついただけるようになったのですが、関⻄に帰ることになりました。そのタイミングで以前から気になっていたあじき路地にちょうど空きが出ていると分かり、⼊居することにしました。
(学校の授業で描いたファッションイラスト)
――あじき路地に⼊居して制作のスタイルに変化はあったのでしょうか。
東京は刺激が多く楽しかったのですが、ここではマイペースに描けますね。職住⼀体でずっと描き続けられるので、逆に切り替えができず籠もってしまうこともあります(笑)。
――描くことが本当に好きなのですね。いくつか作品を紹介して下さい。
近所の洋⾷屋さんや友⼈が作った⾷事、鴨川、遊びに⾏ったキャンプ場など、⾷べ物や景⾊など⽇常にあるものを描いています。
(友⼈の⼿料理)
(蒜⼭のキャンプ場)
アニメーション制作でキャラクターを動かす
――⾷べ物は温かくて美味しそうですね。⾵景も柔らかい雰囲気を感じます。
最近は⽔彩画から短いアニメーション制作にシフトしています。昔からキャラクターを考えることも好きで、そのキャラクターが動くと嬉しくなります。
これは近所にあるコリスさんという洋⾷屋さんで描いた絵を使ったアニメーションです。
(写真下のiPadの)左には料理上⼿な⼩さなリスのコックさん「コリスシェフ」。右には空を⾶べる落花⽣「ピーナッチ」がいます。ピーナッチは10年前くらいにピーナッツを⾷べていて美味しいなと思った時に思い付きました。⼈形も作っています。
(部屋の隅や⾊んなところにピーナッチの人形が。ビンに描かれたマルはあじき路地の作家「en」さんの作品です。)
キャラクターは他にも、怠けすぎて⾜が⽣えて地上に降りてきた「なまけものの風」や、ピア⼆ストのダンゴ⾍「DANGO」など⾊々います。
(新旧のなまけものの風とピーナッチ。キャラクターを作ってしばらく経つと、顔や形が丸くなってくるのが特徴です。)
(北牧さんのキャラクターが集まるアニメーション→Youtubeはコチラ)
(永遠に雑⼱を絞るアニメーション)
(ソフトクリームを帽⼦にした猫「ソフトクリームマン」)
――キャラクターの設定が⾯⽩いですね。ソフトクリームマンは北牧さんに似ている気がします(笑)。よく⾔われませんか?
そうですね。佇む感じが似ていると⾔われます(笑)。
(「グラスにグラス」とグラスのアニメーション)
描く仲間たちの⽇常を伝えたい
――ここにいるとアニメーションの中のキャラクターが⼈形や物として実際に存在いて、アニメーションと現実が繋がっているように感じます。
私は⾷べ物や⾵景など⽇常のものを描くのですが、あえて描き込まないようにしています。印象派のような、空気を描くような、まさに流れて⾏く⽇常を絵にしたいからです。そこに愉快な仲間たちを描くことで仲間たちとしての⽇常も楽しんでもらいたいと考えています。
最初はなんだろう?と思うけれど、だんだん気になって「ふふっ。」と笑ってもらえると嬉しいですね。
(美味しそうなシュトーレンも、よく⾒るとなまけものの風の姿が。)
――キャラクターはLINEのスタンプにも合いそうですね。
ちょうど今、スタンプが審査中で今⽇(取材⽇)に申請許可されるじゃないかと思っているんです。スタンプを使う⽅によって、キャラクターが独り⽴ちするのが楽しみです。
――それは楽しみですね!北牧さんにとって描くことの魅⼒は何でしょうか。
私にとって絵を描くということは⽇常で⽇々変化を感じられることであり向上し続けられること。終わりがないんですね。それが⾯⽩くて、できるだけ⻑く描き続けたいと思っています。
(あじき路地のイラストもありました。)
以上、今回あじき路地で活動する3軒を訪ねました。この場所には⾃分のやりたいことを諦めず、とことん追求し、楽しみながら暮らす空気が流れていると感じました。
今後ここから、どんなクリエイターが⽣まれていくのか楽しみです。
店舗情報
GAJUMARU
- 概要
- LINEスタンプ(取材⽇に公開されました!)
https://store.line.me/stickershop/product/23259711/ja
あじき路地
HP:http://www.ajikiroji.com/
- 住所
- 京都市東⼭区⼭城町284 あじき路地 北7号
- 備考
- Twitter https://twitter.com/peanutchikaze
※ご来店時は営業⽇・営業時間をHP・SNSにてお確かめください。
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