KAYO AOYAMA × レピヤンリボン【後編】|デザイナーとコラボレーションした心ときめくチロルリボンを福井から

Kaori Sawada
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福井県坂井市丸岡町の株式会社松川レピヤンが手掛ける、オリジナルチロルリボンブランド「レピヤンリボン」と、テキスタイルデザイナーの青山佳世さんのブランド「KAYO AOYAMA」とコラボレーションしたリボンが先月発売されました!

 

前編では青山さんとのコラボレーションしたレピヤンリボンとRIBBON’S CAFEについて伺いました。後編ではリボンの制作工程について教えていただきます。

「可愛くて、どこか懐かしい」を生み出す、シャトル織機と紋紙

――リボンは伝統的なシャトル織機(しょっき)を使って織られているそうですが、どのような機械でしょうか。

 

(後藤さん)シャトルは杼(ひ)とも呼ばれ、縦糸に横糸を通すための器具です。最近はシャトルレス織機という、シャトルがなく高速で織れる機械が主流になってきていますが、私たちはこの昔ながらの機械を使いリボンを織っています。

写真提供:㈱松川レピヤン

(写真にある木製の筒状のものがシャトル。左右の往復運動により糸を通します)

写真提供:㈱松川レピヤン

 

――レピヤンリボンの「可愛くて、どこか懐かしい」感じはこのシャトル織機により生み出されるのですね。やはり手を使う職人技が多いのでしょうか。

 

(後藤さん)まずデザイン画をパソコンに取り込み、どのように織り上げれば作りたい柄になるかをデータ化し、織り方の指示を機械に設定します。新しい機械だとデータの管理はUSBを使うのですが60年くらい前の古い機械もあり、その機械への指示出しは「紋紙」という穴の開いた紙を使います。青山さんとのコラボレーションリボンもこの古い機械を使っていますので、紋紙職人さんに紋紙を作っていただきました。どこにどの穴があればデザイン通りの柄が出るのか、パソコンで行う作業を頭で考えて、ピアノのペダルのような機械を足で踏んで紙に穴を開けて作ります。

写真提供:㈱松川レピヤン

(青山さんとのリボンの紋紙。紙からもあたかかい印象を受けたと後藤さん)

 

(後藤さん)指示が間違っていたり、指示が正しくても機械の方で思うようにならなかったりすることもあるので、そういう時は織工さんが現場で細かな調整を手作業で行う必要があります。

未来に繋げていくため、工場見学ができるように

――技術の継承が大変なのではないでしょうか。

 

(後藤さん)リボン自体の需要減少が影響し、織機の台数も織工さんの人数も減っています。紋紙職人も丸岡町には現在3名の職人さんがいて、その中の1名の方にお願いしていますが、国内にはもう数名しかいらっしゃらない状況です。

 

(ようこさん)RIBBON’S CAFEはチロルリボン工場(エイトリボン)の敷地内にありますが、エイトリボンのエイトは英語の「8」のことで、1961年に8つの会社が一緒になり大きなリボンの工場を作ったのです。私が子どもの頃はエイトリボンの工場に勤めている友達のお母さんがたくさんいましたね。RIBBON’S CAFEも以前は工場の織工さんの託児所だった場所なんですよ。

写真提供:㈱松川レピヤン

(エイトリボン工場の外観)

写真提供:㈱松川レピヤン

(「糸くり」をするための機械。糸を繰る部分が八角形になっており、エイトリボンのロゴのデザインに取り入れられています)

――織工の技術習得はどれくらい時間がかかるのでしょうか。

 

(後藤さん)今工場にいる若手が3〜4年経っても熟練の織工さんのようにリボンが織れないと言っていますね。季節や天候にも左右されますし、ミリ単位の幅の調整など言語化できない技術がたくさんあります。

写真提供:㈱松川レピヤン

(縦糸をつなぎ換える「縦継ぎ(たてつぎ)」の作業をしているところ)

 

――工場見学でそのような技術を知る機会があれば、ものづくりの楽しさを知り、これまでと違ったものの見方ができるようになりそうですね。多くの方に見ていただきたいと思います。

それでは最後にお二人からひとことお願いいたします。

 

(後藤さん)東京造形大学の元助教授でレピヤンリボンのディレクターである高須賀活良さんが「レピヤンリボンはみんなで作っていくブランドにしよう!」と立ち上げの時から話していて、リボンを身近に感じていただけるようにアワードの開催などを行っています。コラボレーションは今後も色々な感性を持ったデザイナーさんとの企画を考えていますので楽しみにしていて下さい。

 

今回の青山さんとのリボンも「発売前から楽しみにしていました!」というお客様からのメッセージをいただいたり、ハンドメイドの作家さんがリボンをお届けしてすぐに撮影してSNSに投稿してくださったりと嬉しい反応がありました。

写真提供:㈱松川レピヤン

 

(ようこさん)弊社にはアイディアが豊富な若いスタッフがたくさんいて、日々色々なアイディアが出てくるので、そこがいいところだと思っています。私はずっと手芸が好きなので、みんなのアイディアを形にする担当です。このチームワークを大切にし、RIBBON’S CAFEから手芸の楽しさを発信していきたいですね。

 

またOEMも承っておりますので、こだわりのオリジナルリボンを作っていただくこともできますよ。

ライターがリボンを使って、作ってみました!

ハンドメイドレベル0のライターですが、青山さんとのコラボレーションリボンを使って何か作ってみたくなりました。実際手に取ってみるととても可愛くて、優しいぬくもりを感じられるリボンで存在感があり、特に裁縫の技術がなくてもそのままを使うことができました。

マーガレットリボン(ミストグリーン)のリボンリース。

レモンリボン(チャコール)の犬用首輪。

タイニーブロッサムリボン(ベージュ)のナプキンリング。

 

 

伝統産業を新しいアイディアと共に守り続けていくことで、私たちの暮らしに彩りや喜びを与えてくれる商品が生まれる。そのサイクルが上手く回り続けていける未来であって欲しいと思います。

 

KAYO AOYAMA × レピヤンリボンで、ぜひ皆様のアイディアを形にしてみて下さい。

 

 

【ブランド情報】

レピヤンリボン

HP:https://rapyarnribbon.jp/item/oribbon

Instagram::@rapyarn_ribbon

 

RIBBON’S CAFE

HP: https://ribbonscafe.jp/

Instagram::@ ribbonscafe

福井県坂井市丸岡町堀水13−8(エイトリボン敷地内)
TEL:090-2123-3366

 

※ご来店時は営業日・営業時間を上記HP・SNSにてお確かめください。

※記載は取材時点の情報となります。

PROFILE

Kaori Sawada
2022年11月からMeTAS+で記事を書かせていただくことになりました!取材を通じて色んな方にお会いできるのが楽しみです。

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