【神奈川・藤沢市 / 日和 zakka＆okazu 】地元に愛されるハンドメイドとおかずのお店

神奈川県の辻堂駅からバスで約12分。藤沢市内の住宅街にあるハンドメイド雑貨店が「日和（ビヨリ） zakka&okazu」さんです。

ハンドメイド作品を委託販売しているだけでなく、手作りのおかずも販売しています。

今回は「日和 zakka&okazu」さんにお邪魔してお話を伺ってきました。

「日和 zakka&okazu」オーナーは渡邊由紀さん。雑貨店で働いていた経験があり、自分の雑貨屋さんを開くことが夢だったといいます。

2008年に「zakka*biyori」という店名でオープン。自宅を新築するときに、その一部をお店用に設計してもらったそうです。

最初からハンドメイド作品を販売していたわけではなく、オープンした頃は自分で買い付けた雑貨を販売していました。ところが、少しずつお店の方向性が変わっていき、ハンドメイド作品の委託販売を手がけるように。

さらにおかずを販売するようになったのは2年前のこと。水回りを入れるためにお店をリニューアル工事して、店名を現在の「日和 zakka&okazu」に変更しました。

渡邊さんに、気持ちの変化を聞いてみました。

「自分に物欲がなくなってきて、食べることのほうが毎日必要だなと感じるようになったんです。おばあちゃんになっても続けられるお店でいたかったので、自分でクリエイトできるものは何かな？と考えたときにおかずを作ろうと思いました」

置いてあるハンドメイド作家さんは10人前後。

ハンドメイド作品を置くようになったのは、地元のイベントでつながったハンドメイド作家さんに「委託で預かりましょうか？」と声をかけたのが始まりだといいます。

Instagramを見て、持ち込んでくるハンドメイド作家さんもいるようですが、基本的にはイベントで知り合って波長が合うと感じた、長く付き合いのある作家さんの作品を置いているのだそう。

小箱ショップのような仕切りはなく、お店の雰囲気に馴染むよう丁寧に作品が並べられています。

「コンセプトありきで始めたお店というよりは、あれこれとやりながら自分にとって理想のお店をつくりあげていく感じですね」と渡邊さん。

入り口に掛けれられている暖簾。クリームイエローでやさしい雰囲気がお店ともぴったりです。

実は、この暖簾はリニューアルオープンしたときに作家さんからプレゼントしてもらったもの。

「デザインはアーティストのサクマユウコさん。染めてくださったのはSUNNY BATIK（サニー・バティック）さんというろうけつ染めの作家さんです。『開店祝いにプレゼントしちゃう！』と言ってくださいました。新聞紙でつくった型紙を見せて『こんな感じで』と伝えたら、素敵な暖簾に仕上げてくれました」

店名の”ビヨリ”に合わせて「日゛和」とデザインされているのがポイントです。

サクマユウコさんの作品はお店にも並べられています。

「zakka&okazu 日和」さんは、サクマユウコさんの作品を取り扱っている、数少ないお店のひとつです。

お店をやっていくうえで大切にしていること。それは「循環」なのだそう。

「お店で刺繍糸も販売しているのですが、それは木曜クラブという障がいのある方の作業所でつくられたものです。手染めのシルク糸でとてもきれいなんです。この糸を使ってアクセサリーをつくる作家さんもいます。単にものをつくっただけでは循環していきませんからね。うちのお店が循環の役割を担えたらいいなと思っています」と渡邊さんは話します。

渡邊さんに、今後のお店のあり方についても聞いてみました。

「お店をオープンして15年。ひとりではここまで頑張れなかったと思います。それぞれ得意なことがある作家さんが集まって、楽しみながらお店をつくっていく。そんなお店でありたいですね」

さらに

「敷居の高い雰囲気はまったくないのですが、戸建ての一角にあるお店なので、一見さんは入りにくいと感じるようです。でも入ってみたら楽しかった、と言われます。日常のなかで、ちょっとかわいいものがあると嬉しいと思います。その小さな喜びを感じてもらえたらいいなと思いながら、お店づくりをしています。だから、お店の雰囲気に合った作家さんが集まってきてくださったんだと思います」

と語ってくれました。

取材中も常連さんが立ち寄って話をしていく。地元に愛され、親しみのあるお店です。

ぜひ一度「日和 zakka&okazu」さんに足を運んでみてください。オンラインショップもあります。