京都・東山|fuku coffee roastery【前編】あじき路地|若手クリエイターのための京町家が並ぶ路地

Kaori Sawada
2022年11月からMeTAS+で記事を書かせていただくことになりました!取材を通じて色んな方にお会いできるのが楽しみです。
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「京都の路地」と聞いて思い浮かぶのは、古い京町家が立ち並ぶ細い道。どこか懐かしく風情があり、住んでみたいと思われる方も多いのではないでしょうか。

 

そんな路地の中で、2004年から若手クリエイターのために町家の貸し出しを行なっている「あじき路地」と呼ばれる場所があります。

(路地入り口の看板)

 

今回はあじき路地で活動されている「fuku coffee roastery (焙煎所)」「kokoiro(アーティスト・アクセサリー作家)」「GAJUMARU(水彩画・アニメーション作家)」の3箇所を訪ねました。

これからのあじき路地と街を結ぶコーヒー豆販売所「fuku coffee roastery」

fuku coffee roasteryは2023年の3月にオープンしたコーヒー豆販売所で、店は路地の入り口の通り沿いにあります。

店主であり焙煎士の安食盛夫(あじきもりお)さんに話を伺いました。

――「あじき」の由来は安食(あじき)さんの苗字だと知って驚きました。路地の大家さんも安食さんですか?

 

よく言われます(笑)。あじき路地の現大家は私の母の安食弘子です。母は彫金作家として活動していたのですが、結婚を機に辞めてしまったという過去の経験から、若手のクリエイターさんを応援したいと住居兼工房として貸し出しを始めました。高齢になりましたので、現在は私が実際の管理運営などを行なっています。

 

――安食さんはこれまでもコーヒーに関わる仕事をされていたのでしょうか。

 

これまでは建築関係の仕事をしていました。コーヒーは個人的に好きで、コーヒー豆の焙煎を趣味として楽しんでいたのですが、コーヒーの世界の魅力や美味しさを届けたいと店を開くことにしました。

(店内にはベンチがあり、その場でコーヒを飲むこともできます。)

 

――この場所は店舗ができる前はどのように使われていたのでしょうか。

 

もとは祖父母の家で、私も幼い頃に祖母と暮らした思い出のある場所です。以前はあじき路地の作家さんの作品を展示するギャラリーでした。

12年前にこの母屋を改修した際、祖父が集めた京都の喫茶店のマッチ箱が出てきて、祖父もコーヒーが好きだったと知って嬉しかったですね。

(レトロなデザインがかわいいマッチ箱。今も続いている喫茶店のものも。)

ロゴはあじき路地の入居者がデザイン

――お店のロゴは路地の入居者の方がデザインされたそうですね。

 

はい。昨年冬に入居されたデザイナーの遠藤壮馬さんに作っていただきました。急いでロゴを作らないといけなくなって困っていたのですが、遠藤さんにお願いしたところ快く引き受けてくださって、こんなに素敵なロゴができました。

 

――七福神を乗せた宝船のようなデザインで、おめでたい感じがします。

 

そうなんです。デザイナーの遠藤さんもその様なイメージで作ってくれました。また、船に乗って旅をするように、コーヒーを通じて色んな人に出会あう。という想いも込められています。

 

――あじき路地の入り口にあり、街と路地を結ぶロゴにもなりましたね。

 

路地の方と一緒に何かを作るいいきっかけになりました。来年の6月には、あじき路地が母の代になり入居が始まってから20周年になります。それを記念して、なにかイベントを企画できればと考えているところです。今後は冊子等を作り路地ができた経緯やこの店が母屋であることを伝え、ここから様々な情報発信をしていきたいですね。とても楽しみです。

fuku coffee roasteryの「fuku」に込めた想い

(安食さんがずっと探していたという、優しい表情のレトロな招き猫)

 

――店名の「fuku」の由来もあるのでしょうか?

 

これはうちの猫の名前「福ちゃん」から付けました(笑)。実は別の名前の候補があったのですが、あじき路地のホームページの制作をお願いしているデザイナーさんからやめた方がいいと言われまして…。「安食さん、猫飼ってますよね。猫の名前を付けたらどうですか?」とアドバイスをいただき、そのまま採用しました。

(猫の福ちゃん。かわいいです!)

猫の福ちゃんもいくつか名前の候補があった中、娘が選んだので気に入っていましたし、私はコーヒー豆を焙煎している時、お店でコーヒーを飲まれる方や自分自身も幸福(しあわせ)になれたらいいなといつも思っているので、その想いを伝えられる名前になり結果的に良かったですね。

ロゴの店名のレタリング部分はアドバイスをいただいたデザイナーさんと一緒に作りました。私が選んだイギリスのレタリングで活版印刷をしました。この店に合うデザインに仕上がったと思っています。

(福ちゃんと名付け親の娘さん)

 

 

後編では安食さんがお店を始める前から趣味で楽しまれていたという、コーヒー豆の焙煎方法について教えていただきます。

店舗情報

fuku coffee roastery

概要
ロゴのデザインを担当された遠藤壮馬さん
HP:https://endosoma.jp/
Instagram:@endosoma.jp
あじき路地
HP:http://www.ajikiroji.com/
HP
https://www.fuku-coffee-roastery.com/
SNS
https://www.instagram.com/fuku_coffee_roastery/
TEL
075-708-5159
住所
京都市東山区大黒町通松原下る2丁目山城町284-3
備考
※ご来店時は営業日・営業時間をS N Sなどで直接ご確認ください。
※取材時点の情報です

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