試行錯誤しながら生み出された、つけ心地のよい作品ができるまで。|Light

COTU
MeTAS+編集部 オフィシャルライターのCOTUです。趣味でビーズ刺繍やオーガンジー刺繍、レジンなどのアクセサリーを制作しています。ハンドメイドのお店やオーナー様への取材、イベントの紹介などを行っています。
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大阪の靱公園近くに、上品で洗練されたアクセサリーやジュエリーを販売している「Light(ライト)」という素敵なお店があります。お店の作品は、糸でひとつひとつ手編みされた繊細さ。今回はハンドメイド店ができるまでの経緯や、作品の思いについてお話を聞いてきました。

プロフィール
Lingo (リンゴ)
糸を編んでアクセサリー、ジュエリーを製作しています。2016年アクセサリーブランド『Light』スタート、2017年アクセサリーショップ『Light』オープン
MeTAS +のオフィシャルクリーエイターとして、記事を投稿しております。

はじまりは、雑貨店。友人の一言でハンドメイド店へ。

ーー本日はよろしくお願いします。現在のハンドメイド店をはじめたいきさつを教えてください。
元々は、このお部屋で雑貨屋を2年間営んでいました。雑貨店ですが、一部でハンドメイドのアクセサリーを置いて、店番しながら制作をしていましたね。元々革小物の制作会社に勤めていたことがあるので、レザーもの、キーケースとかも雑貨屋の時に並んでいました。

(『笑顔になるプレゼント』をコンセプトにしたギフトショップ PALEANA)
ーー最初は雑貨店からはじめられていたんですね。いつからハンドメイドを中心に取り扱うようになったのでしょうか。
せっかくお店をするのであれば、「仕入れたものは他のお店でも手に入りますが、アクセサリーは完全オリジナルになるので、アクセサリー1本でやりたい」と思うようになったのが原点です。

色んな方から「雑貨屋してて、こんな可愛いお店で、自分の好きなことだけやってて、いいね」と言われたんですけど、心の中では「別に雑貨屋がやりたいわけじゃないから」と思う自分もいることに気づきました。それが本音だとわかり、2年で雑貨店をやめて、アクセサリーでやることを決意したのが始まりです。

ーー2年ですか!はやい。
決まってからは必死でした。ブランド名を決め、ショップのオープン日が決まると、パレアナからLightへと、内装も変え、全てを変えます。
もちろん1つの部屋を埋めるくらいの商品数が必要ですし、ちょうどオープン前に百貨店でのイベントが続いたので、そこで開店の告知ができました。その頃のお客様とのご縁はありがたいことに今も続いております。

トルコ手芸「OYA」との出会いから今のスタイルに。

ーー編み物との出会いはいつからですか?
最初は、ピンやワイヤーにビーズを通し、ピアスやブレスレットをつくっていました。
市販のパーツを繋げるだけでは、オリジナリティに限界があるとわかると、一気に作る気がなくなり、アクセサリー作りは終了。ファッションが好きだったので、自分の着る服をたくさんつくるために編み物を習い始めました。

ーーファッションが始まりなんですね。いつから今の編み方にたどり着いたのでしょうか。
トルコの手芸で、イスラムの女性が髪を隠すために被るスカーフの縁飾りが「OYA」なんですね。編み物雑誌でそういった存在があることを知ったんですけど、その時に色鮮やかで、光沢があって、「可愛い!」「習いたい!」と衝撃を受けたんです。たまたま大阪でトルコに手芸を習いに行った先生のクラスがあり、習いはじめます。

(トルコで売られているオヤのモチーフ)

(販売を始める前につくっていた初期作品)

ーーOYA、色彩、濃ゆいんですね。今の作品の雰囲気とは違うような。。
そうなんです。日本じゃこういったものはつけづらいですよね。南国だと合いそうだけど。今の作品は、日本らしく日本の女性が似合うものに仕立てています。

つけ心地を大事にするようになったのは、姪っ子の誕生。

ーーどんなことを大事にしたお店ですか?
どこへ行ってもおしゃれなものは沢山あるので、このお店では、デザインはもちろん、そこにプラスして、着け心地の良さや、実用性を大切にしています。
実用的というのは、洗えたり、強度だったり、その点を踏まえて、扱いやすいポリエステルの糸を使っています。

ーー洗えるんですね!
そうですね。素材によっては、拭いていただくものもありますが、大体のものは泡立てたハンドソープで洗えるので、気持ちよくお使いいただけます。

ーーつけ心地を大事にしている原体験は何かあったのでしょうか。
姪っ子が生まれたときに、自分も母親の気分になって、赤ちゃんを傷つけたらいけないので、全くアクセサリーをつけなくなったんです。好きだったおしゃれをしなくなったんですけど、とても楽になりました。でも遠出する時に、久しぶりにつけたアクセサリーは、しんどかったんですよね。楽で、おしゃれって、めちゃくちゃ気持ちも上がるし、いいな。と思ったのがきっかけで、「つけ心地のよさ」はとても大事にしています。

ーーつけ心地は、こだわりのポイントですね。

恵の雨をイメージした作品が見せる、個性豊かな表情。

ーー店内の作品、全てお一人で作られてるんですか?
そうです。フェミニンなものもあれば、甘いものも、クールなものも。素材によって表情を変えています。この作品はフェミニンだなとかインスピレーションを得て制作しています。よく「同じ人が作っているんですか?」と言われることも。笑

ーーこちらの作品は、透明できれいですね!どんな作品なのでしょうか。
恵の雨をテーマにした作品です。

▼こちらはざざぶりの雨

▼土砂降りの雨

▼降ってはやんで、降ってはやんで、といった小雨の雨。

色んな恵の雨を表現しています。

濡れるのが嫌で、雨を嫌がっていましたが、作物には必要なものですし、『恵みの雨』と捉えたら雨が好きになるかなと思いつくったシリーズです。恵みからグレイスというシリーズ名になりました。

グレーの糸を何色も試して、編んで、素材とマッチするかどうか比べたりしながら表現しています。時間をかけてデザインしていますね。

ーー最後に見学してもいいですか?

ブローチがたったの20分、プロの手作り。

ーーえ、早い!そんなスピードで作業されてるんですね。今作っているのはなんですか?
ブローチです。

ーー細かい作業だと思うのですが、目がいいんですか?
感覚の部分が大きいですね。笑

ーーこの作品は、どれくらいでできるんですか?
20分ですかね。

ーー職人だ、、、。
こればかり、ずっとしているので。

ロボットやAIの世界がきたとしても、五感で楽しめるような空間をつくりたい。

ーー最後に今後の目標を教えてください。
製作の上で大切にすることやブランドの軸がしっかりと立ったので、次は『Lightのお客様と一緒に楽しむ!』ということをしたいです。

どんどんと変化していく世の中に合わせ、オンラインショップを充実させることも目標の1つですが、だからこそ、リアルショップの空間を大切にしたいです。

とても忙しい日常から一旦離れ、ゆったりとした気持ちで、ご自身のかわいさや美しさを存分に楽しんでいただくような非日常的な空間になれるよう、店内の空間作りは大切にしています。

製作者としては、ずっと『洗練さ』と『美しさ』を求めて求めて、今の形になりましたが、ここを土台に、今度は、もっと大胆に、より自由に、『絵を描くように、心のままに』を大切に、表現していきたいです。

ーーすてきです!本日は、ありがとうございました!
本日お伺いしたオーナーのLingoさん。
MeTAS+でも毎週木曜日に投稿されています!気になる方は、ぜひチェックしてみてください。

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店舗情報

Light(ライト)

営業時間
12:00~19:00
定休日
月曜・火曜・日曜・祝日は予約制
アクセス
肥後橋駅から徒歩5分
HP
https://light-accessory.shop/
SNS
https://www.instagram.com/light.accessory/
住所
大阪市西区京町堀1-8-31 安田ビル100
備考
※予約は電話もしくはメールからお問合せください。
※営業スケジュールは、毎月初めに公式HPもしくはInstagrmよりチェックできます。
※取材時点の情報です

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