【前編】読者プレゼントも!ファスナーから作られる異色のアクセサリー。これまでにない掛け合わせで、個性や自信を生み出す作品に。

Kaori Sawada
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洋服やバッグ、インテリアや生活雑貨など、目立たないけれど私たちの暮らしに欠かせないファスナーがアクセサリーに。

 

今回、ファスナーを使ったアクセサリーを制作するブランド「Romance in Zip」のZipartist里桜として活動する鈴木里砂さんにインタビューを行い、作品作りのきっかけや作品への想いを伺いました。さらにはハンドメイド作家として販売に一歩踏み出すためのヒントについても教えていただきました。

 

この記事を読み終わる頃、あなたのファスナーへの見方が変わっているはずです!

まるでファスナーとは思えない、素敵なアクセサリー

――まず、ファスナーでアクセサリーが作れることに驚きました。ファスナーだと気付かない方も多いのではないでしょうか。

 

ありがとうございます。そう言っていただけるととても嬉しいです。

 

――作品にはどのようなファスナーを使用するのですか?

 

ファスナーは種類が多くて660色もの色見本があるんですよ。歯の部分はエレメントと呼ばれ、金属やそれ以外の素材が1,000種類くらいあります。最近は100円均一ショップなどで手軽に購入することもできますが、アクセサリーは直接肌に触れるので、基本的にはコーティングにより素材が変質しにくくアレルギーにも考慮されたYKKの正規品を使っています。

――ブランドオリジナルもあるのでしょうか。

 

はい。オリジナルファスナーができるまでは紆余曲折ありまして、以前は問屋さん経由で数100メートル単位でないと購入できませんでしたが、YKKに交渉して今では1メートルから仕入れられるようになりデザインの幅が広がりました。

 

写真のオリジナルファスナーを使ったバングルは、通常エレメントが内側についているものを分解して外側に反転させ、飾りのように使っています。

――この形にすると、ますますファスナーだと気付きませんね。

 

これは内輪の生地を活かしていますが、取ってしまう場合もあります。その生地は無駄にしないように残しておいて、他の作品で使うようにしています。

“Wear your colors!” 個性を認めて、自分に自信が持てるアクセサリー

――これまでのハンドメイドとの関わりや、ファスナーのアクセサリー作りとの出会いについて教えてください。

 

洋裁が得意な母の影響でハンドメイドには興味がありましたが、私はミシンや裁縫が苦手。ビーズでアクセサリーやスイーツデコを作っていましたが、有名な作家さんが沢山いらっしゃるので「私はこれができます」というものが欲しいと感じていました。

 

秋葉原に「ものづくり館 byYKK」という、ファスナーの展示とワークショップがある施設があり、そこでアクセサリー作りのワークショップに参加しました。ファスナーがアクセサリーになることに眼から鱗で、珍しさに可能性を感じ、教えて下さった先生に相談して第一人者になりたいと思いました。

イタリアンのシェフに贈ったキーホルダー

 

――ご自身が熱中できるものに出会ったのですね。

 

ちょうどその頃は家事や子育て、仕事もうまくいかず、私は何もできないと自己嫌悪に陥っていた時期でした。ファスナーって生活の中ですごく身近にあるのにあまり注目されないですよね。それがこんな素敵アクセサリ−になると認められたら、自分も自信が持て好きになれるような気がしたんです。これが私のもの作りを極めようと思った最初のきっかけで、原動力です。

 

ブランドのキャッチコピーは”Wear your colors!”。「ZIPART」のアクセサリーを身につけることで、自分の個性や好きなものを認め、勇気やパワーが湧いてくる。それが私の目指すアクセサリーです。

クロスを組み合わせたブレスレット

作品作りを諦めそうになった時も。向き合い方が変わったきっかけはあるひとこと

――素敵なエピソードですね。作品作りで大変なことも多いと思いますが、その時はこの思いに立ち返るのですか?

 

そうですね。最初は全然売れないので辞めようと何回も思いましたが、自分自身がこのアクセサリーに勇気をもらって夢や目標ができたので、それを叶えるまでは諦めたらダメだと思い今まで続けてきました。

 

――その当時のご自身の気持ちと、ファスナーという身近だけれど目立たないという存在が重なって、一緒に成長してきたという感じがありますね。その後、作品との向き合い方が変わった瞬間があったのでしょうか?

 

スワロフスキーのコンテストで優勝した時です。審査員の方に「スワロフスキーをどれだけ綺麗にデコレーションして煌びやかするかという技術競争が多い中、想像しなかったもの(ファスナー)との組み合わせでアクセサリーができるという新しい分野を鈴木さんが拓いてくれた」と言っていただきました。自分がやってきたことが新たな価値を生み出せたことに自信が生まれました。

 

それまでは売上ばかり気にして一喜一憂していましたが、誰かから認めてもらえたり、素敵だと言ってもらえたり、お金ではないところにやりがいを感じることで気持ちが楽になり、楽しく作れるようになりました。

コンテストで優勝後、スワロフスキージャパンからの依頼で作った作品

 

続く後編では、ファスナーと何かを掛け合わせることの魅力について、ハンドメイド作家として販売に踏み出すための一歩についてお届けします。

 

写真のネックレスのプレゼント応募もありますよ!

PROFILE

Kaori Sawada
2022年11月からMeTAS+で記事を書かせていただくことになりました!取材を通じて色んな方にお会いできるのが楽しみです。

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