【後編】読者プレゼントも!ファスナーから作られる異色のアクセサリー。これまでにない掛け合わせで、個性や自信を生み出す作品に。
ファスナーを使ったアクセサリーブランド「Romance in Zip」のZipartist 里桜として活動する鈴木里砂さん。
前編では自己嫌悪に陥っていた時に出会ったファスナーのアクセサリー作りやアクセサリーへの想いについて伺いました。後編ではファスナーと何かを掛け合わせることの魅力や、ハンドメイド作家として販売に一歩踏み出すためのヒントについても教えていただきます。
ファスナー×○○の掛け合わせを楽しむ
――スワロフスキーのコンテストがきっかけで、ファスナーと何かの組み合わせで新しい価値を生み出すことに喜びを見出し、今ではファスナーの端材や何かの廃材の活用やアップサイクルにも積極的に取り組まれているそうですね。
人と被らないものって何だろうと考えると、捨てられてしまうものを利用することではないかと考えました。要らなくなったもので、こんなものが作れるんだと思っていただけることが魅力です。
長さの短いファスナーの端材はよく使います。また、ファスナーのみだとデザインに限界があるので、何と組み合わせると面白くなるか、美しくなるかを考え、その時に廃材を活用します。金属ナットの廃材を使った作品はファスナーと素材の相性がよく、上品な仕上がりになりました。
ファスナーの端材を使ったイヤーカフ
廃材のナットを組み合わせたブレスレット
昨年は東急プラザ渋谷で開催された、廃棄予定品を中心に合計 100足のスニーカーを協賛企業にご提供いただき、100人の作家がアップサイクルを通じて個性や環境問題への想いを表現するという「100Sneakers100NewMakers 2023 “Journey”展」に参加しました。
ここでは破棄されてしまうファスナーを靴紐として使用し、リサイクル&アップサイクル&エシカルな作品を作りました。さらに靴紐を結ばないことで体の不自由な方も履けるユニバーサルデザインを考えました。
――社会問題の解決も目指すという、組み合わせのアイディアが面白いですね。
今は伝統工芸品と組み合わせることにも興味がありますし、コンテストに向けお香の「香り」をファスナーの生地に閉じ込めた作品作りを進めています。アクセサリーをつけていると癒しの香りが広がってきたらいいなと思ったことがきっかけです。
会津木綿を使用したバングル
廃材デニムとスターバックスの廃材カップロゴを使用(参考作品)
アメリカのコンテストで優勝したネックレスをプレゼント。国内ではMeTAS+だけの提供です!
――今回、読者様にプレゼントしていただける作品について教えてください。
YKK USAの「Zip into the Future, Go Green」コンテストでグランプリを受賞したネックレスです。これは花の部分やネックレス本体も全てファスナーできているんです。
――全てファスナーとはびっくりです!どういった経緯で応募されたのでしょう。
Instagramで世界中各国にあるYKK社アカウントをフォローしていたのですが、YKKUSAからこんなコンテストに参加してみませんかとD Mをいただき、いくつかの作品を出品しました。
受賞した作品は端材も使用し、全てをファスナーで作ったことが評価されたのだと思います。ネックレスのスライダーが移動して、蝶々が花にとまったりとまらなかったりというファスナーの特性を生かしていることもポイントです。
こちらのネックレスが海外の4つのモールへの出品が決まり、海外では販売するのですが、国内では販売しません。今回、MeTAS+オリジナルVer.でのご提供のみになります。
詳しい応募方法はこちら。たくさんのご応募お待ちしております!
ハンドメイド作品を販売してみたい方へのアドバイス
――作品作りに加え、Over50のハンドメイドサークルを主催されているそうですね。
私はアクセサリー作り以外の本業でシニアのセカンドキャリアの支援事業を担当していて、それがきっかけで始めた個人的な取り組みです。50代の私を含め、60代と70代の方と3名のみのサークルです。
お2人ともとても素敵な作品を作られていたので、ぜひ一緒にやりましょうということでお声掛けしました。月に1回無償で勉強会を開き、SNSの投稿の仕方や写真の撮り方などを教えたり、イベントに出店したりしています。シニアの方は手先が器用で良いものを作れるのに、誰かにあげたりして販売する機会がないので、まずはここで実績を作り、シニアの方々の収入や生きがいに繋がる活動にしたいと考えています。
レース編み作家 NOAさん
Instagram @flowery_lacework
ポーセラーツ 陶夢さん
Instagram @forykuro
ハンドメイド作家さんを海外に!という
活動をご一緒させていただくあるみる様です。
Instagram @arumiru_official
ワークショップの様子
――ハンドメイドの作品を作っていても、なかなか販売に踏み出せない方もいらっしゃると思います。何かアドバイスがあれば教えてください。
まずは「自分のブランドを持つ」ということから始めてみてください。ブランド名、作家名を考えると愛着が持てるようになります。Canvaなどの無料ツールでロゴを作れば自分のやっていることが形になったと思えます。そこからどうしたらブランドを知ってもらえるかを考えて写真を撮ったりInstagramを投稿したりします。私のサークルの方はブランド名と作家名を考えるのがすごく楽しかったそうです。ブランド名のストーリーを語れるのも楽しいですよ。
また、皆さんよく「自信がない」と言われますが、それはサークルでは禁句!と言っています。誰も自信のない方の商品は買いたくないと思いますし、どんな作品でも魅力や個性があって刺さる方は必ずいるはずなので。
――確かに自信は大切ですね!ワクワクすることから始めると良さそうですね。
サークル仲間NOAさんとのコラボ作品
――現在アクセサリー制作以外に本業があるとのことですが、両立の秘訣を教えてください。また、今後はご自身のアクセサリーを通じてどんなことを実現されたいですか?
私にとっては本業があるお陰で新しい視点を得ることができますし、生活のリズムが保てるためスケジュールが管理しやすいです。また本業によって収入源が確保できることもメリットなので両立は難しくありません。
今後は社会貢献や地域貢献も行っていきたいです。また、海外でも「ZIPART」を広めたいですね。日本のハンドメイド作品は海外でとても評価が高いので、チームを作って一緒に海外展開したいと考えています。
パーキンソン病の患者さんとのコラボ作品
ファスナー材料ご提供:大阪鞄材(ファスナー通販ドットコム)
※外部サイトに遷移します
―――
他にも読者モデルとして趣味のおひとり様を満喫したブログを書いているなど、活動的な鈴木さん。お話を聞いているとこちらにも元気を与えてもらえるようなエネルギーのある方でした。
これからファスナーを使ってどんな新しいものが生み出されるのかとても楽しみです。
<作家情報>
「Romance in Zip」Zipartist 里桜
HP https://romanceinzip.jimdofree.com/
オンラインショップ https://romanceinzip.thebase.in/
※6月半ばリニューアル予定
Instagram @romanceinzip
PROFILE
- Kaori Sawada
- 2022年11月からMeTAS+で記事を書かせていただくことになりました!取材を通じて色んな方にお会いできるのが楽しみです。
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