かわいくて、愛おしい! 個性豊かな「ちいさなぬいぐるみ」を作ってみませんか?【後編】

Kaori Sawada
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「ヌノにイノチをあげたい」をテーマに「tickʼnʼtack」という屋号でちいさなぬいぐるみを制作されているaska.さん。6⽉に『ちいさな ちいさな ぬいぐるみ』というぬいぐるみ作りの本を出版されました。本について、ぬいぐるみ制作について、⼤阪にある事務所でお話を伺いました。

 

前編では本の出版こと、aska.さんがちいさいぬいぐるみを作り始めたきっかけや、ワークショップのことについて話を聞きました。後編では、ぬいぐるみへの想いやこれからやってみたいことなどを伺います。

きゅんとした、⽇常に⽬にするものをぬいぐるみに

――ぬいぐるみを作っている時に何を考えていますか?

 

まだ出来上がっていないけど、早く出来上がったこの⼦に会いたいって思ってますね(笑)。

 

――ぬいぐるみのアイディアはどこから⽣まれるのですか?

 

以前は型紙のある「こくまん」というシリーズを作っていたのですが、同じ型紙で作るのに何となく違和感を覚えて。そこから、落書きをそのまま⽣地に書いて作ったぬいぐるみ「ラクヌイ」が⽣まれました。

 

型紙がないので同じぬいぐるみを作ることはできません。⼀期⼀会な感じが気に⼊り、⽇頃何げに⽬にしているプロダクトをぬいぐるみにしています。タバコ、急須、椅⼦、盆栽、ライト、換気扇など、ひとつひとつが愛おしく、それをぬいぐるみにしたら、周りから良い反応があったんです。

(これまでの作品。身近にありよく知っているものばかりです)

――ものに対して気持ちが宿る感じですね。

 

はい。何にでもきゅんとしますね(笑)。⽇頃から、歩いている時に標識がかわいいなと思ったりします。

(標識のぬいぐるみ)

 

――aska.さんにとって、ぬいぐるみはどんな存在ですか?⼀般的にぬいぐるみは⼦どもの頃に持っていて、成⻑するにつれて離れていくものですよね。

 

そうですね。ディズニーのトイストーリーのように⼤きくなるにつれて他のものに興味が移り、ぬいぐるみから卒業してしまう⼈も多いと思います。

 

ですが私は妹がいたこともあり、昔から⼤きいウサギのぬいぐるみや、⾊んなぬいぐるみと⼀緒に過ごしてきて、今でもそれは続いています。あとは、蚤の市で売られているぬいぐるみを連れて帰ってきれいにして、うちの⼦にしたりしています。アトリエにいるゴリラのぬいぐるみとも、よく話しているんですよ(笑)。

(連れて帰ってきたぬいぐるみたち。奥がアトリエで話しかけているゴリラ)

 

――ぬいぐるみは⼦どもの持つものという固定概念があるだけで、好きならずっと持っていていいものなのでしょうね。

 

最近は昔と⽐べて、ぬいぐるみといえば⼦どもや⼥の⼦。というものでなくなってきたと感じます。知り合いのお⼦さんは男の⼦ですが、素直に「ぬいぐるみが好き」と話すので嬉しいですね。⼤⼈もそれでいいと思います。展⽰会に来られる⽅の中には、親⼦の他に男性もいらっしゃいましたね。

 

今後はぬいぐるみにストーリーを付けて、親⼦向けにぬいぐるみの魅⼒が伝わる本も作ってみたいと思っています。

(展⽰会では初めてぬいぐるみについての冊⼦を作ったそう)

カプセルトイも発売されています

――ぬいぐるみをベースにしたカプセルトイもあるそうですね。ぬいぐるみは全てaska.さんの⼿で作られていますが、⾃分の⼿で作らないものについてはどのように感じますか?

 

カプセルトイを作られている株式会社いきもんという東京にある会社さんから連絡をいただいた時、⾃分の⼿で作らないものってどうなるのかなと思いましたが、実際作って⾒ると別物だということが分かりました。私の作るぬいぐるみはWEBや展⽰会で販売することもありますが、数は作れずお迎えいただけない⽅も多いのですが、カプセルトイならお⼦様でも気軽に購⼊できます。もっと多くの⼈に広まって楽しんでもらえるじゃないかなと思って、それが嬉しいですね。

(フィギアはふわふわのフロッキー加⼯)

(aska.さんは作らない、⼤きくて⽑⾜の⻑いぬいぐるみ)

 

今後は地元⾼知での展⽰会や郷⼟玩具のぬいぐるみを作りたい

――今後やってみたいことはありますか?

 

地元の⾼知で展⽰会をやってみたいですね。関⻄でしか展⽰会をしてこなかったので海と⼭に挟まれた独特のカルチャーが詰まった⾼知だとどうなるか気になります。あとは⺠芸が好きなので全国の、特に郷⼟玩具の作品を作ってちいさなみんぱく(民族学博物館)が作れたら嬉しいですね。郷⼟玩具が持つ、変わった癖が⼤好きなんです(笑)。

(郷⼟玩具を元に作ったぬいぐるみんげいシリーズ)

 

――これから何か作ってみようと思っている⽅にアドバイスはありますか?

 

「好きこそものの上⼿なれ」「継続は⼒なり」。この⼆つのことばを⼤事にしています。ちいさなぬいぐるみを作り続けていたら本を出版する機会もいただけたし、好きなことなら何でも頑張って続けたら上⼿くなるんじゃないかなと思っていて、それを⾃分で実現するようにしています。

(お盆の時期に飾りたくなるぬいぐるみ)

 

あとは、技術ではなく「まずやってみる」が⼤事だと思います。やってみないと⾃分に向いているのかいないのか、作り⽅のポイントもわからないので、もし『ちいさな ちいさな ぬいぐるみ』の本に中に気になる作品があったらぜひ作ってみてください。ひとつ作ると、⾃分の個性が出る作品がどんどん作れるようになって楽しいですよ。

 

 

性別や年齢を気にせず個性を⼤切に、好きな物は好き!という気持ちを⼤切に作られているaska.さんのぬいぐるみは、きっとそれを持つ⼈ぞれぞれの⼼に寄り添ってくれる存在になるのだと思います。

あとは、aska.さんの作るぬいぐるみはどこかaska.さんに似ています!

 

 

【作家情報】

aska./tick ‘n’ tack

HP:https://tickntack.theshop.jp/about

Instagram:@tickntack

X(Twitter):@tick_n_tack

【書籍情報】

aska.(著) 『ちいさな ちいさな ぬいぐるみ』誠⽂堂新光社 

PROFILE

Kaori Sawada
2022年11月からMeTAS+で記事を書かせていただくことになりました!取材を通じて色んな方にお会いできるのが楽しみです。

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