【神奈川・小田原 / まめかわ工房】初心者でも簡単にオリジナルのハンドメイドを。

タオ
神奈川県在住のライター。作家さんとお店の物語をお届けします。
  • Twitter
さらに表示

小田急小田原線富水駅から徒歩5分に位置するハンドメイドショップ「まめかわ工房」。戸口を開けると「道に迷わずこれましたか?」とあたたかく店主の尾崎恵さんが迎え入れてくれました。

尾崎さんは店主でありながら、刺繍を施しポーチや巾着を作るハンドメイド作家でもあります。2018年に立ち上げ、今年2024年で6年目を迎える「まめかわ工房」。今回は尾崎さんにお店を立ち上げるまでに至った経緯とハンドメイドに対するこだわりを伺いました。

子どもの頃から身近にあったハンドメイド

小さい時から母親の影響でハンドメイドに馴染みがあったという尾崎さん。ハンドメイドを始めるハードルは決して高いものではなかったと話します。

 

「身近にあるバッグやポーチは、必ずと言っていいほど母親の手作りで。作りたいものがあれば、母親に教えてもらっていました」

 

教わりながら、次第に自分だけでものが作れるようになると、寒い季節はマフラーや手袋などの編み物を、暖かい季節はバッグのような布物を、友人に手作りして贈るようになりました。友人たちは「次はこの色を使って作って欲しい!」と、リクエストするほど喜んでくれたと言います。

 

大人になり、結婚を機に元いた職場を辞め、自宅付近の眼科でパートタイマーとして働くことになった尾崎さん。仕事が忙しくなってくると、自分のために使う時間があまり持てなくなっていきました。

 

「友人に手作りはしても、自分のものは100均で買って済ませていました。でも100均で買ってきた、ありあわせのポーチよりも、母が作ってくれたポーチのほうが、ずっと長く使うんですよね」

商品として売る初めての機会。「自分の作ったものは売れるんだ......!」

その後、作ったものを売りに出す、初めての機会が尾崎さんに訪れます。眼科の院長の取り決めにより、新しく眼鏡屋を始めることになったそうで、尾崎さんはそちらの販売担当になりました。そこであることに気が付きます。

 

「店頭に置かれているメガネケースに、かわいいものがあまりなかったんですよ」

 

そのように思った尾崎さんは、自身でメガネケースを作り、商品として置いてみることにしました。

 

「今まで人に手作りしたものをあげるばかりで、売りに出してみようなんて考えたこともなかったのですが、お客さんが買ってくれた時は本当に感動しましたね。自分の作ったものは売れるんだ……!って」。

 

自身の作ったものが売れるとわかった尾崎さんは、この頃からハンドメイドイベントに出展し、手作りしたものを売るようになりました。

新たにミシン刺繍に挑戦する

今まで作っていたもの以外にも、新しく刺繍にも挑戦し始めました。ですが、なかなか思ったように仕上がらない……。そこで尾崎さんは、イラストや画像などのデータを元に刺繍を施してくれる、ミシン刺繍という機械を使おうと考えます。

 

「ボタンを一本押すだけでできます!みたいなことをスタッフの方に言われて、まんまと買ってしまいましたね。結果的に、ボタンを一本押すだけじゃできませんでしたが……(笑)」

 

ミシン刺繍を購入したはいいものの、オリジナルで作成したデザインデータを元に、刺繍を施す方法を細かく教わる場所があまりなかったそうで、名古屋市まで赴き、ミシン刺繍の講習を受けたり、他の方がどのように使用しているのかネットで検索して調べたりしながら、試行錯誤を重ねました。

 

「難しかったけど、楽しくてハマりましたね。糸や布や下地、それらの関係性をミシン屋さんで細かく教えてもらえるわけではないんですよね。こうすればヨレずにすむとか、失敗しながら学んでいきました」

ハンドメイドセレクトショップ「まめかわ工房」を立ち上げるきっかけ

しばらくして、眼鏡屋は客足が少ないために畳まれることとなり、これを機に、尾崎さんは眼科を辞めて、本格的にものづくりに集中することに決めました。

 

眼鏡屋で一緒に委託販売していた作家さんともお付き合いがあったため、作家さんたちの作品を置ける場所を作りたいと、ハンドメイドのセレクトショップ立ち上げを考えます。

 

しかし、場所を借りるにしても家賃の採算が取れずにいたので、ご主人に相談してみることにしました。すると、「駐車場の一角に、お店を立てていいよ」とご主人、さらに尾崎さんのご両親までもが応援してくれたのです。

 

「たぶん、そんなの儲かるわけがないんだからやめておきなよって家族に言われていたら、私も諦めていたと思うんですよね。一人ではなく、家族の応援があったからできたと思うんです」

 

どうしてご家族は応援してくれたのか尋ねると、尾崎さんは「老後の楽しみかな(笑)」と、にこやかに応えました。ちなみに商品の陳列台はご主人に作ってもらったそうです。

お店で生まれる交流

こちらに写っている作品は、羊毛フェルト作家さんとガラス作家さんがコラボして作ったもの。お店やイベントで知り合った作家さん同士が交流して作品を作ることはよくあると言います。

 

またお店にはハンドメイド好きなお客さんが、よくいらっしゃって、置かれている作家さんの作品から、ものづくりのヒントを持ち帰る人も多いのだとか。ちなみに、店頭には尾崎さんが「かわいい」と思って、お声掛けした作家さんの作品を置くことが多いそうです。

ハンドメイド作品を作るときのこだわり

作品を作る際のこだわりを尾崎さんに尋ねると、「自分が作っていてかわいいと思えることですね。そのために好きを詰め込むこと」そう話したあと、尾崎さん制作の、頭巾を被った猫の刺繍が施されたポーチを持って来てくれました。

茶猫マトリョーシカのまめポーチの裏側の画像

さらに、裏側にも猫のうしろ姿が刺繍で施されています。

茶猫マトリョーシカのまめポーチのチャックを開けた中身の画像

ポーチの中身を開けると、ここにも猫が。こちらの「茶猫マトリョーシカのまめポーチ」は、はじめに刺繍を施してからポーチに仕立てていくのですが、1個作るのに2・3時間はかかるのだそう。尾崎さんは1日3個作るのが限度だと言います。

刺繍ワッペンの画像

こちらは販売し始めたばかりだという刺繍のワッペン。アイロンで簡単に貼り付けられるようになっていて、ハンドメイドに興味があるけれど、ハードルが高いと感じている初心者の方でも、簡単にオリジナルのハンドメイド作品を作ることができます。

 

かわいらしい数々の刺繍のデザインは、尾崎さんが様々なデザインに触れ、そこから着想を得て、オリジナリティのあるものを生み出しているそうです。

マトリョーシカリップポーチの画像

こちらは看板商品の「マトリョーシカリップポーチ」。お店を立ち上げた時から人気があり、一度にたくさん買っていく人も。プレゼントにぴったりの商品です。よく見てみるとマトリョーシカの表情も微細に違っているので、ひとつ選ぶにしても楽しいですね。

お店の展望

お客さんがよく吟味して、好きなものを見つけられるようにと、何周も回れるようなお店の作りになっています。さらにワークショップにも力を入れているそうで、気軽にハンドメイド体験もできます。HPにワークショップの日程が掲載されているので、ぜひチェックしてみてください。

 

最後に、「これからどんなお店を目指していきたいか」尾崎さんに聞いてみました。

 

「ハンドメイドに手を出しにくいな、と思っている方の手助けをしていきたいですね。ほかにも、これからは地元の方だけではなく、小田原は観光地なので訪れた方の記念になるようなものを作れる場所にしていきたいです」

「まめかわ工房」壁の画像

お友達や大切な人、または自分への贈り物に「まめかわ工房」へ訪れてみてはいかがでしょうか。

店舗情報

まめかわ工房

営業時間
10:00〜17:00
定休日
日・月・火
アクセス
小田急小田原線 富水駅徒歩5分
HP
https://mamekawa-koubou.com/
SNS
https://www.instagram.com/shop_mamekawa/
TEL
0465-27-3827
住所
神奈川県小田原市飯田岡209

関連記事

PICK UP

ミタス編集部がおすすめするピックアップ記事

RANKING

ハンドメイドの人気記事