かわいくて、愛おしい! 個性豊かな「ちいさなぬいぐるみ」を作ってみませんか?【前編】

Kaori Sawada
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「ヌノにイノチをあげたい」をテーマに「tickʼnʼtack」という屋号でちいさなぬいぐるみを制作されているaska.さん。6⽉に『ちいさな ちいさな ぬいぐるみ』というぬいぐるみ作りの本を出版されました。今回は本とぬいぐるみ制作について、⼤阪にある事務所でお話を伺いました。

(本を⾒て作ることのできる⼿作りのぬいぐるみたち。⼩さくてそれぞれの表情がとてもかわいいです)

初⼼者でも「ちいさなぬいぐるみ」が作れます

――今回出版された『ちいさな ちいさな ぬいぐるみ』では、aska.さんのぬいぐるみの作り⽅を紹介されていますが、とても小さくて初⼼者にはなかなか難しそうです。

 

私の作るぬいぐるみは⼤体4cmくらいの⼤きさで、この本のものは少し⼤きいんですよ。それでも⼩さいとは⾔われますが、初⼼者の⽅にも作れるよう、材料や⼿順を詳しく説明し、分かりやすい内容にしているので⼤丈夫ですよ。6⽉に出版したのですが、本を読んでさっそく作られた⽅がたくさんいらっしゃいます。作り⽅の全ての要素を揃えている「くま」と⽿にフサフサの⽑がある「だっこしてコアラ」が⼈気ですね。

aska.(著) 『ちいさな ちいさな ぬいぐるみ』誠⽂堂新光社

(「くま」の作り⽅⼿順。※出版社サイトより引⽤)

(左から「⻘いお花の花びん」「だっこしてコアラ」「イガ栗」)

 

本の作品は「ミニチュアファブリック」という素材を使っているのですが、最近⼿に⼊りにくくなってきているので、⼿芸店で⼀般的に⼿に⼊り、⾊数も多くて伸びも良い「トイニット」や「マジッククロス」を使う⽅法紹介しています。

(左と中はミニチュアファブリックを、右はトイニットを使⽤)

ぬいぐるみが⼩さい理由

――aska.さんがこんなに⼩さなぬいぐるみを作り始めたきっかけは何だったのでしょうか?

 

もともと絵を描くことが好きで、専⾨学校を卒業してデザイン会社に勤めながら、何か⾃分の⼿で作ってみたいなと趣味でぬいぐるみを作り始めました。それも、⾃分の得意な絵を描くことと、実は苦⼿だった⼿芸を組み合わせみたら⾯⽩いんじゃないかと思って始めたんです。学⽣の頃、⼿芸部に⼊っていたのにも関わらず苦⼿で、特にみんなでぬいぐるみを作った時は私だけてるてる坊主を作るほどでした(笑)。

(最初に作ったテディベア)

(左は趣味で作っていた頃に「X(Twitter)」で話題になったタバコのぬいぐるみ。1円⽟と並べるとこのサイズ!)

 

サイズが⼩さい理由は、このサイズしか作れないからなんです。⼤きい画⽤紙があっても隅っこの⽅に⼩さいサイズのイラストしか描けなくて….。⼤きいサイズのぬいぐるみに挑戦したこともありましたが思い通りにできなくて作れませんでした。⼩さいサイズの⽅が表現しやすくて、⾃分に合っていますね。

(ラフは寝る前などに下書きなしで描いています。ノートも⼩さ⽬です)

刺激になり楽しかった本の制作

――本を出版してみていかがでしたか?

 

昨年に20年ほど勤めたデザイン会社を退職し、作家として本格的に活動し始めるまでは趣味としてぬいぐるみを作っていました。作家を始めた頃、友⼈の紹介で「ぬいぐるみドリーム」という“ぬいぐるみはおともだち”をテーマにしたイベントに初めて出て、そこでお会いしたのが出版社の担当者さんでした。出版の話をいただいた時、ぬいぐるみ作りはこれまで独⾃に積み重ねてきたものだったので、出していいのかなと悩みましたが、周りに相談すると「あなたが作るものはあなたしか作れないよ」と⾔われ、⾃信を持ってお受けすることにしました。

(※出版社サイトより引⽤)

 

そこから担当者さんとやり取りを重ね、掲載するぬいぐるみ34点を決めて、今年に⼊ってから撮影のために東京に⾏きました。その時はカメラマンさん以外にも担当者さん、誌⾯の編集の⽅、デザイナーの⽅、皆さん揃われていて、とても楽しい撮影現場でした。撮影に使う背景や⼩道具など、カメラマンさんが⽤意してくださっていて、その新しい発想に私もとても刺激を受けました。

(※出版社サイトより引⽤)

 

――出版により新しい世界が広がったのではないでしょうか。

 

そうですね。本が出版されてすぐ、⼤阪で「その時はどうぞよろしく」という展⽰会を⾏ったのですが、その時に購⼊された本を持ってきて下さった⽅がたくさんいて驚きました。他にもSNSを通じて「作ってみました」とメッセージをもらったり、「本を⾒るだけでも楽しいです」と⾔われたり、様々な反応をいただいて嬉しいですね。出版してよかったなと思っています。

 

――作る⼿順を細かく⾒える形にしてみたことで、何か気付きがありましたか?

 

ありますね。ワークショップを開催しているので、そこで説明する時に、参加される⽅にはどこが理解しにくいのかが分かりました。これができないからこうなんだなと…。この気付きは今後のワークショップで活かしたいと思います。

(「ガイコツおばけ」はガイコツが⽩いおばけのかぶりものに⼊ります。とにかく細かくてキュートです)

ワークショップでは、参加者それぞれの個性が⾯⽩い

――ワークショップの話がありましたが、楽しそうですね。どのような内容ですか?

 

最近は3〜4時間の短時間で終わるものを⾏っています。私はみんなで⼀緒に何かを作る空間が好きなので、技術をしっかり学んでいただくというよりは、ある程度こちらでパーツを作りやすいように⽤意して、作っている場の楽しさや、ぬいぐるみ⼀体を作ることの⼤変さなども感じていただけたらと考えています。

 

他にもワークショップの楽しみは、参加者の⽅がそれぞれの作品を作ることですね。私と全く同じに作ることも、もちろんいいのですが、個性が出る作品ができることも好きです。皆さん私にはない発想があって少しずつ違うので、並べると⾯⽩いんですよ。

(ワークショップで参加者が作った作品を並べたもの。aska.さんの作品はくまが上のもの、だるまさんが左から2番⽬)

 

ワークショップの参加者の⽅に描いてもらったオリジナルのイラストを元に⽣地やパーツを選んでもらって、私がその⽣地をその場でカットしてキットを作ります。そして参加者皆さんに作り⽅を教えながらそのぬいぐるみを実際に作ってもらうというワークショップも開催しています。想像もしなかった個性溢れる素敵な作品が出来上がります。

(ワークショップでできた作品)

 

 

前編では本の出版こと、aska.さんがちいさいぬいぐるみを作り始めたきっかけや、ワークショップのことについて話を聞きました。後編では、ぬいぐるみへの想いやこれからやってみたいことなどを伺います。

 

 

【作家情報】

aska./tick ‘n’ tack

HP:https://tickntack.theshop.jp/about

Instagram:@tickntack

X(Twitter):@tick_n_tack

【書籍情報】

aska.(著) 『ちいさな ちいさな ぬいぐるみ』誠⽂堂新光

PROFILE

Kaori Sawada
2022年11月からMeTAS+で記事を書かせていただくことになりました!取材を通じて色んな方にお会いできるのが楽しみです。

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